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弁護士法人金沢税務法律事務所

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相続法改正まとめ

相続法分野で大幅な改正がなされます(すでに施行されているものもあります)。今回、まとめてみました。ご参照いただければ幸いです。

1 改正法の段階的施行
・民法等の一部改正法
Ⅰ 自筆証書遺言の方式を緩和する方策 2019年1月13日〜
Ⅱ 預貯金の払戻し制度、遺留分制度の見直し、特別の寄与等(Ⅰ、Ⅲ以外の規定) 2019年7月1日〜
Ⅲ 配偶者居住権(配偶者短期居住権)の新設等 2020年4月1日〜
・遺言書保管法 2020年7月10日〜

2 預貯金についての保全処分の要件の緩和等
・改正家事法200条3項、預貯金債権の仮取得
「前項に規定するもののほか、家庭裁判所は、遺産の分割の審判又は調停の申立てがあった場合において、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により遺産に属する預貯金債権(民法第四百六十六条の五第一項に規定する預貯金債権をいう。以下この項において同じ。)を当該申立てをした者又は相手方が行使する必要があると認めるときは、その申立てにより、遺産に属する特定の預貯金債権の全部又は一部をその者に仮に取得させることができる。ただし、他の共同相続人の利益を害するときは、この限りでない。」

・改正民法909条の2、預貯金債権の単独払戻し
裁判手続によらない、単独での権利行使可
「各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち相続開始の時の債権額の三分の一に第九百条及び第九百一条の規定により算定した当該共同相続人の相続分を乗じた額(標準的な当面の必要生計費、平均的な葬式の費用の額その他の事情を勘案して預貯金債権の債務者ごとに法務省令で定める額を限度とする。)については、単独でその権利を行使することができる。この場合において、当該権利の行使をした預貯金債権については、当該共同相続人が遺産の一部の分割によりこれを取得したものとみなす。」

3 遺産分割前に処分した遺産の取扱い
・改正民法906条の2
「遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。」(Ⅰ)
「前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。」(Ⅱ)

4 遺留分制度に関する見直し
・遺留分減殺請求権→遺留分侵害額請求権という名称に、改正民法1046条
「遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。」

・改正民法1044条3項、考慮すべき生前贈与の限定
「贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。」(1044Ⅰ)
「相続人に対する贈与についての第一項の規定の適用については、同項中「一年」とあるのは「十年」と、「価額」とあるのは「価額(婚姻若しくは養子縁組のため又は生計の資本として受けた贈与の価額に限る。)」とする。」(1044Ⅲ)

・行使期間には変更無し、改正民法1048
「遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。」

5 配偶者居住権
・原則として居住建物としての使用に限定し、処分権限のない配偶者居住権
・改正民法1030条、存続期間について
「配偶者居住権の存続期間は、配偶者の終身の間とする。ただし、遺産の分割の協議若しくは遺言に別段の定めがあるとき、又は家庭裁判所が遺産の分割の審判において別段の定めをしたときは、その定めるところによる。」

・改正民法1028条、改正民法1034条1項、賃料の有無について
「被相続人の配偶者(以下この章において単に「配偶者」という。)は、被相続人の財産に属した建物に相続開始の時に居住していた場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、その居住していた建物(以下この節において「居住建物」という。)の全部について無償で使用及び収益をする権利(以下この章において「配偶者居住権」という。)を取得する。ただし、被相続人が相続開始の時に居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合にあっては、この限りでない。
一 遺産の分割によって配偶者居住権を取得するものとされたとき。
二 配偶者居住権が遺贈の目的とされたとき。」(1028)

「配偶者は、居住建物の通常の必要費を負担する。」(1034)…居住建物の固定資産税は「通常の必要費」にあたる

・改正民法1032条2項、譲渡性について
「配偶者居住権は、譲渡することができない。」

・改正民法1032条、用益目的について、従前の用法に従う限り、店舗、賃貸も可
「配偶者は、従前の用法に従い、善良な管理者の注意をもって、居住建物の使用及び収益をしなければならない。ただし、従前居住の用に供していなかった部分について、これを居住の用に供することを妨げない。」

6 相続の効力
・改正民法899条の2
「相続による権利の承継は、遺産の分割によるものかどうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、第三者に対抗することができない。」

7 遺言制度の見直し
・改正民法968条2項、3項、財産目録について
「前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第九百九十七条第一項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。」

・法務局における遺言書保管等に関する法律

8 特別の寄与に関する見直し
・改正民法1050条、相続人以外の親族に認められる金銭請求権(特別寄与料)
「被相続人に対して無償で療養看護その他の労務の提供をしたことにより被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした被相続人の親族(相続人、相続の放棄をした者及び第八百九十一条の規定に該当し又は廃除によってその相続権を失った者を除く。以下この条において「特別寄与者」という。)は、相続の開始後、相続人に対し、特別寄与者の寄与に応じた額の金銭(以下この条において「特別寄与料」という。)の支払を請求することができる。」