再調査の請求か,審査請求か。

  • 2017/02/08
  • 宮本ブログ

 国税に関する法律に基づき税務署長等が行った更正・決定などの課税処分,差押えなどの滞納処分等に不服があるときは,その処分に不服のある人が,その処分の取消しや変更を求める不服申立てをすることができます。
 不服申立ては,処分の通知を受けた日の翌日から原則として3か月以内に,国税不服審判所長に対する「審査請求」か,処分を行った税務署長等に対する「再調査の請求」のいずれかを選択して行うことができます。
 審査請求に対する国税不服審判所長の裁決があった後の処分に,なお不服があるときは,裁決があったことを知った日の翌日から6か月以内に裁判所に対して処分の取消しを求める訴えを提起することができます。
 また,審査請求がされた日の翌日から起算して3か月を経過しても裁決がないときは,裁決を経ないで訴えを提起することができます。この場合,訴訟とは別に,引き続き国税不服審判所長の裁決を求めることもできます(以上につき,国税不服審判所ホームページ)。

 事案に応じて,再調査の請求か,審査請求か,または訴訟提起か,適切な方法を選択する必要があります。

 審査請求に対する裁決事例の中にはホームページで公表されているものもあります。例えば,「弁護士が,刑事国選弁護人として,所属する弁護士会の規則に基づいて,弁護士会に対し援助の申請をし,その申請に基づき同会から受領した金員は,「一時所得」に該当するか,「事業所得」に該当するか。」という争点につき,次のような事例が公表されています。

 「…所得税法第27条第1項に規定する事業とは,自己の計算と危険において利益を得ることを目的として継続的に行う経済活動のことをいうと解される。
 そして,同条項が「事業から生ずる所得」と規定しているのは,事業が総合的な活動であることに着目して,本来の事業活動による収入のほかに,事業の遂行に付随して生ずる収入も,例えば,事業用資金の運用果実としての利子所得(所得税法第23条第1項)など所得税法上規定されている所得区分に該当する場合を除き,事業所得の総収入金額に含める趣旨と解するのが相当である。
 また,一般に弁護士の弁護士業務としての役務提供に係る所得の所得区分は事業所得であると認められる。
 これを本件援助金についてみると,上記基礎事実のとおり,請求人は,①弁護士会から刑事被告人Bの特別案件国選弁護人としての推薦を受け,○○高等裁判所A裁判長から同人の弁護人に選任され,同人に対する弁護活動という,弁護士本来の事業活動を行うことによって,弁護士会から本件援助金の支払を受けたこと,②請求人は本件援助基金規則に基づき弁護士会に対して援助申請をし,弁護士会の各「刑事弁護援助基金支払証書」には「被告人Bに対する殺人等被告事件の弁護費用として金750,000円支出する。」旨記載されていること,及び③弁護士会は,特別名簿に登載された弁護士会員を刑事被告人の国選弁護人に推薦し,弁護活動の遵守事項を定めたり,報告を求めるなどしており,請求人が行った弁護活動についても極めて密接な関係を持つ者であるということができることなどからすると,弁護士会から支払を受けた本件援助金は,少なくとも弁護士活動に付随して生じた収入ということができるから「事業から生ずる所得」に当たり,事業所得の総収入金額に含まれると解するのが相当である…。」(平18.9.21,裁決事例集No.72 119頁

 弊所では,税務署との交渉・調査立会い,税務訴訟等の税務に関する相談にも対応しております。通常の法律相談の際にも,税法の問題も踏まえた上での解決を目指しています。例えば,相続に関する相談などは相続税の申告まで当事務所で処理することが可能です。お気軽にご相談下さい。

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