労働法務

昨今企業と従業員の間の労務トラブルが増加傾向にあります。その内容も、未払い残業代、従業員の精神疾患をめぐるトラブル、セクハラ・パワハラ、解雇・退職問題等多様な分野にわたります。 これらのトラブルは、どの企業にも起こりうる可能性があり、企業に大きな損失を与えるリスクとなります。
 当事務所では、紛争発生時の対応はもとより、就業規則の作成・改定等労務リスクを未然に防ぐためのアドバイスも行います。

従業員を解雇する場合について

解雇とは、使用者による一方的な労働契約の解約のことを指します。労働者の承諾は要件ではありません。しかし、解雇については以下のとおり、厳格な規制が及びますので注意しなければなりません(逆に言えば、従業員からの申し出による雇用解消(辞職)には、厳格な解雇規制が及ばないということです)。 解雇が客観的に合理的な理由を書き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効と扱われます(労働契約法16条)。

具体的にどのような場合に相当であると認められるのでしょうか。以下の場合が挙げられます。

 労働能力・適性欠如や勤務態度不良を理由とする解雇

①労働者の職務遂行能力が欠如、または低下したことにより、労働契約上の労務の提供ができなくなった場合

具体的には、病気やケガ等で、求められる仕事ができなくなった場合等が挙げられます。ただし、判例上の具体的な判断基準はかなり厳格です。たとえば就業規則に、「心身の故障により業務遂行に支障があるときは解雇できる」との規定があった場合の解雇事由に関しては、「治療、回復訓練等による回復の可能性や当該労働者の適切可能な職務への配置転換や休職制度の活用によってもなお職務遂行に耐え得ない場合を指す」とされています。

②労働者の勤務態度

具体的には、服務規律違反(たとえば、常態としての遅刻・無断欠勤)、命令違反、信用失墜行為等が挙げられます。もっとも、高知放送事件(最判昭和52年1月31日)は、「2週間に2度、宿直勤務の際に寝過ごし、定時ラジオニュースの放送事故を起こし、放送が10分間ないし5分間中断されることにより、2度目の放送事故を直ちに上司に報告せず、後に事故報告を提出した際に、事実と異なる報告をしたアナウンサー」に対する普通解雇について、「解雇をもってのぞむことはいささか過酷にすぎ、合理性を欠くうらみなしとせず、必ずしも社会的に相当なものとして是認することはできない」として解雇を無効としています。

 整理解雇

使用者が経営不振などの経営上の理由により人員削減の手段として行う解雇のことを整理解雇と言います。整理解雇は労働者側の事由を直接の理由とした解雇ではないことから、一般の解雇と比べてより具体的で厳しい制約が課されています。判例上、整理解雇が許される場合は次のような要件を満たさなければならないとされています。

  • 人員整理の必要性:人員削減をしなければ、企業として経営の維持が困難という程度の強度の必要性
  • 解雇回避努力義務の履行:冗費・役員報酬の削減、新規雇用の抑制、希望退職の実践、配置転換・出向等の実践を含めた経営努力の実践
  • 被解雇者選定の合理性:人選基準と具体的な人選の双方が合理的であること
  • 手続の妥当性:説明・協議を尽くすべきこと

また、法令による制限もあります。国籍・信条等による差別解雇の禁止(労働基準法3条)、組合所属または正当な組合活動等を理由とした解雇禁止(労組法7条)男女雇用機会均等法による解雇制限(同6条)、育児・介護休業法による解雇制限(同10条等)があります。

労働基準法19条では、次の場合には解雇の制限をしています。

  • 労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり療養のため休業する期間及びその後30日間
  • 産前産後の女性が労働基準法65条(産前産後休暇)の規定によって休業する期間及びその後30日間

使用者が労働者を解雇しようとする場合、少なくとも30日前にその予告をしなければなりません。30日前に予告をしない使用者は、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません(労基法20条1項)。

ただし、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合、または、労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合には、解雇予告または予告手当支払は要しません(20条1項ただし書)が、その場合は労働基準監督署長の認定(除外認定)を受けなければなりません。

当事務所では、事実関係を確認した上、従業員との法的紛争を回避するためにはどのような点に注意すべきか、解雇理由の合理性、解雇手続の適法性などにつき、法的なアドバイスを行います。

法人のお客様向け取扱い業務

事業に関する法律・税務問題は極めて多岐にわたるところ、当事務所はそのほとんどに対応させて頂いておりますが、その一例をご案内いたします。
企業法務・中小企業支援・顧問契約
  • コンプライアンスを実践したい
  • 事業譲渡を行いたい
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